後藤人形について

後藤人形へのみちのり 

住所 岐阜市大柳町2丁目33番地
電話 058-252-1526
 
岐阜市の中心部より西の長良川の近くです。岐阜では「くるくる橋」と呼ばれている大縄場大橋のくるくるのたもとでみなさんの車がくるくる回って走るのをビルの上の立雛がみまもっています。名古屋市方面からは、国道21号線を西進し、「茜部中島」交差点を北上すると早いです。周辺には県立岐阜高校があります。

 

 
 

 


株式会社 後藤人形 代表取締役 後藤康彦

社団法人 日本人形協会理事
名古屋雛人形卸商業協同組合 理事長
名古屋見本市協会 会長

 
 

ごあいさつ

 
弊社ホームページを御覧戴き、誠にありがとうございます。
 お節句の長い歴史を振り返ると、雛人形、五月人形の創造性は、日本という国が平和であったり豊かさを感じる時代とともに盛り上がったり、下火になったりしているように思います。
 日本の独創性が一気に芽吹いたのは平安期、今につながる節句の文化が花開いた江戸の豊穣期、そして、誰もが豊かになって七段飾りが行き渡った近代から昭和まで。
 平和な繁栄があったから、心豊かな文化が育ったのか、もしくは、お節句を大切にするような心の豊かさがあったから国が平和になったのか…。
先の見えにくい、このような時代にこそ、「心豊かな文化が幸せな国をつくる。」そんな気概をもってお節句の仕事にたずさわっていきたいものです。
 
 
 

株式会社 後藤人形
作名 藤匠作
 
後藤人形本社 岐阜市大柳町2−33
電話058-252-1526
fax058-253-2130
 
商品センター
岐阜市清上沼810
電話 058-273-0154



設立1945年10月1日

役員代表取締役 後藤康彦
 
 

 

a story of the small company 

 
 

創業から初代清峯の時代

心の復興から、芸術性を求めた舞踊の人形へ

昭和20年創業。焼け野原の岐阜市で、初代清峯は人形作りをはじめました。どんなきっかけで、
何を思って、人形を作り始めたのか、いまでは、本当のことはわかりません。
ただ、東北の大地震のあとの何もなくなった街を見て、私は祖父のことを思い出しました。
何も希望がないほど打ちのめされた時、人は何を求めるのだろう。
その答えに「人形」があるのだとしたら...
きっと祖父は、心の復興のために、人形作りをはじめたのだと思うようになりました。
 やがて国内旅行のブームが起こり、祖父は、長良川の鵜匠さんのお人形や、岐阜の民謡「おばば」の人形をせわしなく作る日々が始まります。
それを子供たちが手伝い、リヤカーや自転車で何度も長良川界隈の旅館に納品する。それが後藤人形の創業期です。
「おばば」の人形は一年間に40万個を売り上げ、全国のおみやげの人形の記録を作って表彰されたそうですが、祖父はそうした顕彰に無頓着で、表彰状などがあったらむしろ、どこかに隠してしまうような人でした。
 清峯は、伝説の頭師、及川映峰の頭を用いた舞踊の人形で、人気職人となりました。女性らしい、やわらかいラインが特徴で、「型が決まる手前の一瞬、そこがええんや。」といって独特の動きのある人形を製作しています。天皇陛下が岐阜にお泊まりになった時には、萬松館においてあった舞踊のお人形に目をとめられ、その人形をお買い上げになったそうです。

二代目 後藤康彦の時代

パンダ!パンダ!パンダ! そして、雛人形の時代へ

父 康彦の時代になると、日本は高度成長期とベビーブームに湧きます。この頃、後藤人形の建物を満杯のパンダが支配していました。中国から初めてパンダがやってくると同時に、熱狂的なパンダブームが起こり、ぬいぐるみの卸業が忙しくなります。家の段ボールをあけるとパンダ。かくれんぼもパンダの山をかきわけてかくれたり、百貨店に横づけしたトラックをあけるとドサッとパンダが降ってくる。そんなパンダ漬けの日々が続きました。一方で、雛人形の製造、卸にも力を入れ、オリエンタル中村屋、名古屋三越、JR高島屋などの百貨店、全国の小売店とのつながりが増えていきました。
人形業界に尽くして
 私は父ほどこまめで、面倒見の良い人をあまり見たことがありません。思ったことをズバッというのに敵を作らない性格です。いつしか名古屋の同業者の仲間に見本市の会長や、日本人形協会の理事を任せられ、長い間、業界のための活動をしています。現在も節句人形アドバイザーの委員として、問題製作などにたずさわっています。ひなまつりや端午の節句といったお節句の意味や、大切さをわかりやすく説いてくれたのも父です。 
 名古屋とその近郊は、人形の産地として、京都や岩槻などと比べてブランド力には及ばないかもしれないけれど、自由な発想で、本質的なひなまつりの魅力を伝える力はある。そんなことを考えている人です。 

Text by yukako goto